エアフィルタ交換時期の目安とは?寿命を延ばすメンテナンス方法や交換しないことのデメリットを解説
エアフィルタの交換を行わないとエアフィルタとしての役割を果たせず、機器の内部にゴミがたまってしまい、最悪の場合故障してしまう可能性があります。そのため、エアフィルタは定期的に交換しなければなりません。
しかし、いつ交換した方が良いのか、そもそもエアフィルタの寿命はいつなのか疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、エアフィルタの交換時期や寿命ついて解説しています。そのほかにもエアフィルタの寿命の延ばし方や交換する理由もまとめていますので、エアフィルタの適切な知識を身につけてみましょう。
エアフィルタとは
空気中には塵埃や花粉、油ミストなど微粒子のゴミが含まれています。エアフィルタはそれらのゴミを取り除き、健康と快適な環境づくりをしてくれるフィルタです。
特に食品工場や医薬品工場、整備施設などプラント業界では、製品の品質を維持し、空気中の異物を除去する必要があります。また、精密機械工場でも活躍していて製品の精度を高く保つために空気中の塵埃を取り除かなければなりません。
このようにエアフィルタは、空気中にある異物をキャッチして清潔な環境づくりをする役割を持っており、プラント業界や精密機械工場などに欠かせないフィルタです。
エアフィルタの基本構造
エアフィルタは基本的にろ材、支持材、フレーム、シール材で構成されています。それぞれの特徴を見てみましょう。
ろ材
空気中の異物をキャッチするフィルタの心臓部です。
ろ材には、ガラス繊維や合成繊維、活性炭などさまざまな種類があります。それぞれに特徴や除去できる粒子の大きさが異なりますので、使用する場面によって選びましょう。
支持材
ろ材を支持してフィルタの形状を維持する役割を担っています。
ろ材の性能を最大限に引き出させるために重要な項目です。
フレーム
言葉通りフィルタ全体を囲み、強度と安定性を確保します。
材質は、アルミやプラスチックなどがあります。使用環境や用途に応じて選ぶことが重要です。
シール材
空気の漏れを防止するためにフィルタとハウジングの隙間を塞ぐ役目があります。
エアフィルタの性能を維持するために非常に重要です。
エアフィルタは空気中のゴミを除去し、健康や製品の品質維持などさまざまな場所で活躍するフィルタです。また、ろ材やフレームには異なる特徴がありますので、ご自身の作業場にあったものを選びましょう。
エアフィルタは定期的に交換する必要がありますが、そもそも交換しないとどのようなデメリットがあるのかご存じでしょうか。エアフィルタを交換する理由について深掘りしていきます。
エアフィルタを交換する理由
エアフィルタを交換しないとどのようなデメリットがあるのかまとめました。エアフィルタを交換する理由は、使用する前に知っておきたい重要な情報ですのでしっかりと目を通しておきましょう。
エアフィルタの目詰まり
エアフィルタは使用しているとホコリや汚れなどがたまり、目詰まりを起こします。目詰まりを放置しておくと、除去効率の低下につながりますので交換しなければなりません。
目詰まりが悪化すると空気の流れが弱くなったり、ファンから異音が聞こえることがあります。このような異変に気づいた際はすぐにエアフィルタを変えるようにしましょう。
消費エネルギーの増加でコスパが低くなる
ファンやエアコンプレッサーなどに負荷がかかり、消費エネルギーが増加してしまう可能性があります。消費エネルギーが増加すると運転コストがよりかかってしまい、コストパフォーマンスが低くなってしまいます。コストパフォーマンスを高めるために定期的にエアフィルタを交換することが大切です。
機器の故障や劣化
エアフィルタは、空気中のホコリや微粒子のゴミをキャッチすることが役割です。しかし、フィルタが劣化してしまうと内部にゴミがたまり、機器の過熱や摩擦が進行します。
これにより、機器の故障や劣化を引き起こしてしまう恐れがあり、エアフィルタだけでなく使用している機器にまで悪影響が出てしまいますのでしっかり交換しましょう。
健康への悪影響
エアフィルタは、空気中のホコリや花粉などをキャッチしてくれるため、人間に快適な環境を作ってくれます。しかし、汚れを取り除けていないと呼吸器系に悪影響を与え、ぜんそくや呼吸器疾患などを引き起こす可能性があります。健康リスクが高まることで、労働力の低下や医療費が増えてしまうため、健康管理をするためにもエアフィルタの交換は重要です。
また、工業だけでなく、エアフィルタは美術館などの公共の場でも活躍するフィルタです。エアフィルタが正常に機能しないと足を運ぶお客様の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
エアフィルタは交換しないと目詰まりが起きてしまいさまざまな面で悪影響が出ます。なので、決められた交換時期に交換しなければなりません。エアフィルタを使用する際は、目詰まりに注意して使用しましょう。
目詰まりが起きてしまうため交換を推奨していますが、エアフィルタの交換時期は、大体どのくらいが目安なのかわからないと思います。そんな方のために交換時期について解説します。
エアフィルタの交換時期と寿命について
エアフィルタの寿命は、使用している場所や汚染度によって大きく変わります。そのため、目安だけで交換をするのではなく、エアフィルタに目詰まりが起きていないか定期的な確認が重要です。
また、エアフィルタの種類によっても寿命が変わる場合があります。例えば、エアフィルタの中でも最も大きなゴミや塵などを取り除くプレフィルタは、寿命が短く3カ月〜6カ月での交換が一般的です。
一方、HEPAフィルタはより細かいゴミを捕捉するため、12カ月〜24カ月とプレフィルタよりも寿命が大幅に長いです。
しかし、寿命が長いからと言ってその場面に合っていないエアフィルタを使用してしまうと、うまく役割を果たせず目詰まりしてしまう可能性がありますので、自身の作業場に合ったエアフィルタを使用しましょう。
圧力計で正確な交換時期を把握できる
フィルタ交換時期を確認する際は、圧力計や微差圧計を用いることで正確なタイミングを把握することが可能です。圧力計や微差圧計をフィルタの前後に設置し、流れる空気の圧力を測定します。圧力の差が大きくなるほどフィルタが汚れているので、一定の閾値を超えた時に交換が必要です。
このように正確な交換時期を把握できるので、作業効率の低下や機器への悪影響の心配がありません。それだけでなく、適切なメンテナンスをすることで機器の寿命が延びる可能性があります。圧力計で正確なエアフィルタの交換時期を見極め、作業効率アップを目指しましょう。
フィルタ交換と業界のガイドライン
業界によってエアフィルタの交換タイミングが変わることがあります。具体例を出すと、清潔感を保たなければならない食品工場や医療施設は、常に空気の品質基準を満たすことが重要視されている業界です。そのため、エアフィルタの寿命に関係なく、毎月または四半期の頻度で交換することが推奨されています。
そのほかにもホテルのような一般的なビルでは、上記の業界よりも交換周期が長くなる傾向にありますが、お客様や従業員の健康管理をするために最低でも年に1度交換することが望ましいです。
このように寿命だけでなく、業界によってエアフィルタの交換時期は変わります。適切な空気の品質管理をして快適な環境作りをしましょう。
上記の業界とは反対に、交換時期よりもエアフィルタの寿命が先に来てしまい交換を余儀なくされることがあると思います。そうなると、余計にコストがかかってしまうのでなにか対策を考えておきたいですよね。そんな方のために実践できるエアフィルタの寿命を延ばす方法をご紹介します。
交換とメンテナンスの実践的アドバイス
フィルタの視覚的検査と圧力損失測定
エアフィルタの定期的な視覚的検査は、早期の問題発見に非常に効果的です。月に一度の視覚検査と、圧力計を使用した損失測定を推奨します。圧力差が製造元の指定する限界値を超えた場合、フィルタの交換が必要です。この手法により、フィルタが最適な性能を保ちながら稼働し続けることが保証されます。
再利用可能なフィルタの適切な洗浄方法
再生可能なフィルタは、適切な洗浄を行うことで数回再利用が可能です。洗浄は専用のクリーニングソリューションを使用し、手順に従って慎重に行います。洗浄後はフィルタを完全に乾燥させることが重要であり、これによりフィルタの性能が回復し、長期間にわたって使用できます。
エアフィルタの寿命は延ばせる!
エアフィルタには寿命を延ばす方法があります。上記で交換時期の話をしたため、エアフィルタは使い捨てと感じている方もいると思いますが、フィルタの種類によっては清掃をすることで再利用可能なエアフィルタも存在します。
例えば、再生可能なフィルタは定期的に洗浄をすると寿命を延ばすことができます。しかし、再生可能なフィルタにも再利用可能な回数は限られているため、再利用の回数を超えた際はためらうことなく交換しましょう。再利用できるからまだ使えると考えて使用し続けると作業効率の低下や機器の損傷につながる可能性があります。
まだ利用可能回数が残っている場合や交換時期ではない場合でも異常な汚れや損傷が見られた際に交換することが推奨されます。そのため、適切な維持管理が重要になりますので、メンテナンスの際は、エアフィルタに異常がないかをしっかり確認することが大切です。
環境に応じたフィルタの選び方
環境ごとに最適なエアフィルタを選択することは、効率とコスト削減に直結します。例えば、高湿度環境には防カビ性能を備えたフィルタが必要であり、油薬を多用する工場では油に強い合成繊維製のフィルタが推奨されます。
また、化学物質の多い環境では、特定の化学反応を防ぐために活性炭を含むフィルタが効果的です。これらのフィルタは、それぞれ異なる粒子の大きさや種類を捕捉するために異なる材質や構造が用いられています。適切なフィルタを選ぶことで、メンテナンス頻度の削減や寿命の延長にもつながります。
BBnetが販売するエアフィルタ
フィレドン
フィレドン AE-100 500×500(mm) 1枚 カット濾材 乾燥炉用耐熱タイプ
フィレドン FC-620N 610×610(mm) 1枚 カット濾材 ミスト、リント用
フィレドン FR-580 500×500(mm) 1枚 カット濾材 非再生タイプ
クランセール
クランセール WF300 500×500(mm) 1枚 カット濾材
トラベロン
【金井重要工業】トラベロン AF-120AR 500×500mm
【金井重要工業】トラベロン AF-150AR 305×610mm
ボンデン
ダイキン工業
【ダイキン工業】防カビ・抗菌プレフィルタ DKF60TG3 1,220mm幅×25m 原反ロール
パームロックフィルタ
パームロックフィルタ(EFフィルタ) 25tx500×500(mm) 40枚入り
パームロックフィルタ(EFフィルタ) 50tx500×500(mm) 20枚入り
コスモフィルタ
コスモロールフィルタ(自動巻取形交換用フィルタ) CMR-M-20BR-N2S 1600×20m×20t
コスモロールフィルタ(自動巻取形交換用フィルタ) CMR-M-506R-Y1S 1745×20m×50t
エレルフィルタ
エレルタフィルタ(低圧力損失中高性能フィルタ) EML-36-65 500×500×65t
防かびエレルタ(防かび低圧力損失中高性能フィルタ) EML-56H-65B 610×305×65t
ビルトロンフィルタ
塩害対策ビルトロンフィルタ(塩害対策形中高性能フィルタ) BLT-28H-90S 305×610×150t
塩害対策ビルトロンフィルタ(塩害対策形中高性能フィルタ) BLT-18-90S 500×500×150t
オイルミストフィルタ
オイルミストフィルタ CNPフィルタ CNPP-5010 610×610×t50(mm) プリーツタイプ
ダスクリーンフィルタ
ダスクリーンフィルタ ろ材カット品 DS-600-22-M 500×500×18t 10枚
レルフィ
塩害対策レルフィ(低圧力損失中高性能フィルタ) LMXL-70-65S 610×610×150t
メッシュシールフィルタ
防虫対策シールメッシュフィルタ MSMF-PS600N/SUSアルミ枠E 610×305(mm) ミドルメッシュ
フッ素樹脂HEPA
超低圧力損失長寿命フッ素樹脂HEPAセパレータ形BFMC BFMC-56-E48T 610×610×290t
フィルタの技術的な進歩と新しい材料
エアフィルタ技術は日進月歩で進化しており、ナノファイバーや特殊コーティングが施された新しい材料が開発されています。これらの新材料は、従来のフィルタよりも効率的に微粒子を捕捉し、空気の流れを改善してエネルギー消費を低減します。また、自浄作用を持つフィルタ材料も研究されており、これによりメンテナンスの手間が減少し、全体的な運用コストが削減されます。これらの進歩を取り入れることで、環境負荷の低減と作業効率の向上が期待できます。
[ケーススタディ] 成功事例の紹介
食品工場における微粒子フィルタの導入
食品工場でのエアフィルタ導入事例では、製品の品質向上が目的でした。高性能の微粒子フィルタを導入することで、製品への微細な塵埃の混入が劇的に減少しました。この改善により、製品のリコール率が低下し、顧客満足度が向上。結果として、年間で見積もった経済的な利益は約20%のコスト削減につながりました。
病院でのHEPAフィルタの活用
病院では感染症の拡散防止が至上命題です。特定の治療室にHEPAフィルタを導入した結果、空気中の細菌やウイルスの濃度が大幅に減少しました。これにより院内感染のリスクが減少し、患者や医療スタッフの安全が向上。この施策は、医療品質の評価向上に寄与し、病院の評判を高める結果となりました。
エアフィルタを適切に管理して快適な環境づくりを
普段目にすることがないエアフィルタですが、さまざまな場所で活躍されています。プラント業界では清浄な空気が求められ、ビルやホテル、病院、美術館では、お客様の健康と快適な環境を確保するために重要です。
そのほかにも、医療機器や風力発電機など特殊な用途で使用されることがあります。これらもプラント業界と同様に精密な環境制御が必要で、エアフィルタの交換時期を管理することが大切です。
エアフィルタの交換時期は、圧力計によって正確に確認することが可能です。適切な知識と管理方法を知っているだけでエアフィルタの寿命を延ばすだけでなく、設備の作業効率アップにもつながります。効率が上がることでさらに運用コストの削減が期待でき、さまざまなメリットが生まれてきます。