商品劣化を防ぐ脱酸素剤の選び方と使い方をご紹介!
食品や化粧品、衣類、金属部品といったあらゆる商品の品質保持ができる脱酸素剤ですが、実は脱酸素剤の中にもいろいろな種類があることをご存じですか。賞味期限が短い食品などにおいては特に、1日でも長く品質保持をしたい!
できるだけ商品劣化を防ぐことが課題ということもあるでしょう。 脱酸素剤の効果を最大にするためには、使用する商品に応じた脱酸素剤を選ぶ必要があります。 ここでは、脱酸素剤の種類や選び方、どんな商品に使用できるのかといったところまでをご紹介していきます。ぜひ脱酸素剤を選ぶ際の参考にしてみてください。
脱酸素剤とは?
そもそも脱酸素剤とはどんなものなのでしょうか。お菓子や食べ物の袋の中に入っている「食べられません」と書かれた小さな袋を誰もが一度は見たことがあると思います。 これは食品の鮮度や美味しさを保持するために入っているもので、商品の品質劣化を防ぐ役割があります。脱酸素剤の中身は特殊処理をされた鉄粉で、鉄が錆びるときに酸素と結合する化学反応を利用して酸素の吸収を行っています。ちょうど使い捨てカイロと同じ原理です。
では、そんな脱酸素剤は具体的にどのような役割を持っているのでしょうか?食品はもちろんのこと、食品以外の分野においても脱酸素剤は商品劣化を防ぐ役割を果たしているのをご存じでしたか。 ここからは脱酸素剤の役割について、詳しく解説していきます。
脱酸素剤の役割
食品においての脱酸素剤の役割
①カビの発生を防止する
パンやカステラなどを長時間放置してしまうとカビが発生します。それは、カビが発生しやすい環境だからです。
では、食品の場合どんな環境でカビが発生しやすいのでしょうか。 みなさんも生活の中でなんとなく「夏場はよくカビが生えるな」「水回りはカビ生えやすいな」といった経験があるかもしれません。
カビが発生しやすい環境について、詳しくみていきましょう。
・水分の含有量が10%以上
・酸素がある
・タンパク質や糖質といったカビの栄養素となるものがある
・温度が20℃から 30℃
・水分活性値が0.65以上
・湿度が65%以上
上記の通りです。水や酸素、栄養素がある状況ではカビが発生しやすく、さらに気温や湿度もカビの発生に関わってくるということですね。 ということは、酸素を無くしたり、水分の含有率を下げたりとカビが発生しにくい環境にすれば、カビの発生を遅らせることができるということになります。
脱酸素剤は、まさにそんな「カビが発生しにくい環境」を作る役割を果たしてくれています。脱酸素剤は、食品の袋の中から酸素を抜くことでカビの発生に必要な酸素を奪い、カビの発生を遅らせることができるのです。
・酸化や変色を防止する
カビが発生する以外にも食品の劣化が起こります。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、酸化や変色も食品の劣化の一つです。 リンゴを切った時に時間が経つと色が変わってしまったという経験はありませんか? あれがまさしく酸化による変色です。同じく、キャベツを切って放置した時も酸化による変色が起こりますよね。
リンゴやキャベツはイメージしやすいものですが、実は他の食品でも酸化と変色が起こります。 酸化というのは、空気中の酸素が原因になって物質が変化してしまうことです。食品が空気に触れることで反応が起こり、酸化してしまいます。 変色した部分は、酸化によって作り出された物質なので色が変わってしまうんですね。そのため酸素と触れていない部分は変色しません。
例えば切ったリンゴを放置して変色してしまったとします。そのリンゴをさらに切ってみると中は変色していないことがわかると思います。 これはリンゴの外側は酸素に触れて酸化し、変色したけれど中身は酸素に触れていないため変色が起こっていないということです。酸化や変色を防ぐには酸素に触れさせないことが大切です。脱酸素剤は酸素を吸収するため、酸化や変色を防ぐことができます。
・香味や栄養を保持する
脱酸素剤には、食品の香りや栄養を長期間保持するといった役割もあります。長期間放置した食品は、匂いが悪くなることがありますよね。 実は、その原因は油脂の酸化によるものです。脱酸素剤を入れることによって、油脂の酸化を防ぎ、香味を保持することができます。また、栄養素の変化を防ぐことも脱酸素剤の役割です。
・害虫の発生防止
脱酸素剤は空気を吸収することで害虫や、卵を死滅させるという役割もあります。 食品に対していろいろな役割を持つ脱酸素剤ですが、食品以外についてはどのような役割があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
食品以外においての脱酸素剤の役割
・衣類のカビや虫食いを防止する 食品と同様、衣類においてもカビや虫食いは問題になりますよね。ご家庭などでしまっていた服が虫に食われてしまった、カビが生えてしまったということもあるかと思います。 脱酸素剤は、そんな衣類の劣化を防いでくれる役割もあるのです。酸素がなければ虫の卵は孵化しません。また、カビの胞子も発芽できなくなるためです。 このように衣類の製品劣化にも脱酸素剤は有効だと言えるでしょう。
・金属、精密機器などのサビやカビを防止する
脱酸素剤は工業の分野においても活躍します。金属を長期間放置しておくと、湿気などの影響でサビやカビが発生しますよね。 工場などにおいては生産が終了した商品や、低稼働率品の長期保存などに脱酸素剤を使用することで商品の劣化を防ぎ、長期にわたって品質を保ったまま保存することができます。
・医薬、化学品などの酸化を防止する
酸化によって商品が劣化してしまうのは医薬品、化学品においても同様です。 輸液バックや点眼薬、吸入器なども酸化でフィルムが変色してしまったり商品が劣化してしまうことがあります。 医薬、化学品分野の製品も脱酸素剤で品質劣化を防ぐことが可能です。
いかがでしたでしょうか。脱酸素剤の効果や、使われている分野についてもわかってきたと思います。 ここからは脱酸素剤と乾燥剤の違いについてお話ししていきたいと思います。一見同じように見える乾燥剤と脱酸素剤ですが、実はその仕組みや対象商品が異なります。
乾燥剤と脱酸素剤の違い
乾燥剤とは
乾燥剤は食品の袋の中に残った水分を吸収し、乾燥状態を保つものです。先ほどもご紹介したように脱酸素剤は袋の中にある「酸素」を吸収するもの。 水分を吸収する乾燥剤は、おせんべいやクッキーなどの品質保持に用いられています。 もう少し詳しく乾燥剤の役割をみていきいましょう。
新鮮な食感や味を維持する
せんべいやクッキーを袋から出して湿気らせてしまったという経験をしたことがある人もいるかもしれません。開けたばかりの時はパリっとしていたものも、時間が経つとしんなりした食感になってしまいますよね。 あれは食品が水分を吸収したために起こってしまう変化です。
商品の性能劣化を防止する
また、乾燥剤は食品以外の分野においても活躍しています。粉薬や錠剤なども水分を吸って湿気ってしまうことがあるからです。薬の場合は、変質によって効き目が悪くなってしまうということもあります。 乾燥剤によって水分を吸収し、品質を保持することが可能です。 また、機械などの金属類に使用してサビを防いだり、海上コンテナの結露による商品劣化を防ぐこともできます。
水分が多いものには脱酸素剤、水分の少ないものには乾燥剤を利用しましょう
乾燥剤と脱酸素剤は、吸収するものがそれぞれ「水分」と「酸素」という違いがあります。食品においてはもともと水分含有率が高いケーキやピザ、カステラといったしっとりしたものには脱酸素剤を、クッキーやせんべいといった水分の少ないものには乾燥剤を利用しましょう。
脱酸素剤の選び方
ここからは脱酸素剤選び方についてご紹介していきます。脱酸素剤といっても、種類によって成分や対象商品が異なります。脱酸素剤の効果をきちんと発揮するためにも正しい脱酸素剤選びの参考にしてください。
脱酸素剤の種類
自力反応型
自力反応型の脱酸素剤は、空気に触れた瞬間から酸素の吸収をしてくれるものです。これは反応に必要な水分を持っているため、空気があればすぐに反応し酸素吸収が始まります。 また、この自力反応型の脱酸素剤は速効タイプと一般タイプに分けることができます。
・速効タイプ
短時間で素早く酸素を吸収する。ケーキや半生菓子といった消費期限が早い食品に向いています。
・一般タイプ
汎用性が高く、香辛料や医薬品にも用いられるものです。低〜中水分の食品に向いています。
BBnetでも自力反応型の脱酸素剤を取り扱っております。



水分依存型
自力反応型とは異なり、食品が持っている水分に触れることで酸素の吸収が始まります。サラミや切り餅といった水分が高い食品に用いられることが多く、乾燥した食品には向いていません。
脱酸素剤のサイズの選定方法
商品に合った脱酸素剤の種類を選ぶことはもちろん、サイズの選定も重要です。容器内の酸素容量に合わせて選びましょう。 容器内の酸素は、下記のように算出することができます。
・箱型容器の場合のサイズ選定方法
容器内酸素容量(ml)=[たて×よこ×高さ(cm)-中身の重量(g)/比重(≒1)]×0.21
全体積から商品の重量を引きます。食品の場合はほとんど1g=1ccで計算されるので重さがそのまま商品の体積ということです。 ここからでた答えが酸素容量です。
・不定形容器の場合のサイズ選定方法
容器内酸素容量(ml)=[全体積<水の補充量(ml)>-中身の重量(g)/比重(≒1)]×0.21 容器が十分に浸る容器いっぱいに水を入れ、その中に商品を入れ、溢れた後の重さを引きます。 脱酸素剤は使用する商品や、サイズに注意して選ぶことが大切です。
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